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Zippoケース制作

Zippoのケースをシルバーで作ってほしい、と依頼されて制作してみました。
完全にワンオフでの制作となります。容器で蓋の開け閉めや合わせの精度と固定、中身の出し入れなど、難しい個所が沢山あり、簡単なものならともかくきっちり作ろうと思うとなかなか難しいです。
ワックスで作るか、とも思ったのですが板材から作ってみました。

zippo1.jpg
まず、Zippoの本体の採寸をしっかり測定し、書き出しておきます。
それを基準に本体から作って行きますが、まず銀の板を芋鎚で叩いてテクスチャーを着けます。銀は1㎜厚の925で制作をします。


zippo2.jpg
叩いて焼きなましを行い、酸洗いをした後に平にしました。カバー本体はL字に曲げた板をロウ付けして作って行きます。


zippo3.jpg
銀の板をL字に曲げました。
ヒンジになる部分に銀板1枚分の厚みを足します。画像ではマスキングテープで本体に貼付けてあります。この分がないと、後から蝶番をつけるスペースがなくなってしまいます。


zippo4.jpg
寸法に気をつけながらヤスリ掛けをして、ロウ付けする個所を丁寧に合わせます。ここの合わせの精度はかなり重要です。


zippo5.jpg
90度になる様にロウ付けをする訳ですが、この様な治具を使います。これを使う事で90度の角合わせがちゃんと行えます。治具のV字の中央は、ロウ目と治具が接しない様に丸くくり抜かれてます。こうしないと銀ロウが流れて鉄の治具とくっついてしまう恐れがあるのと、ロウ付けしたい本体に熱が行き易くする意味があります。


zippo6.jpg
カバー本体のカーブがある面を作るのに簡単な当てがねも作りました。これとは別に、木を削って曲面の雌型になるカーブの凹みも作りました。作る形に応じて専用に色々と作る必要があります。


zippo7.jpg
カバー本体と底をロウ付けした後、同じ要領で蓋を作って行きます。


zippo8.jpg
蝶番になるパーツです。ここの形状は蓋の開け閉めの要になるので、しっかり採寸して作らなくてはなりません。Zippo本体が、オイルかガスかによってとかで個体差があるようです。全てのZippoが同じではないので注意が必要です。


zippo9.jpg
糸鋸でパイプの部分を丁寧にカットし、2つのパーツを合わせます。蝶番の軸だけはステンレスの直径1.2ミリの丸棒を使います。稼働がスムースか、変な捻れがないか、よく確認します。変な感じがしたら作り直しです。このステンレスのピンですが、はまっているだけでかしめたりはしません。ケースの本体と蓋に入れた蝶番のパイプの入る切れ込みにぴったり納める事でピンが抜けない仕組みになってます。これはステンレス製のよくあるZippoケースもそうなってます。


zippo10.jpg
本体と蝶番はリベットで固定します。ここの固定方法は特に悩みました。ステンレスのZippoケースはスポット溶接でここを留めていますが、銀でロウ付け個所も多くあるので溶接が出来ません。銀は硬さも必要なので925で作って来ましたが、ピンの部分だけ純銀にしました。純銀の方が柔らかくかしめ易いからです。


zippo11.jpg
かしめた後に全体を磨いて完成です。
画像はありませんが、底に依頼主のお名前を鏨で掘りました。後、silverの刻印と私の刻印が打ってあります。
蝶番の動きやカチンと気持ちのよい音を立てて閉まる感じまで、しっかりと出来ました。

初めて作ったので、構造的な作りで途中かなり悩みました。一回失敗してみたり、後になってみるとそこはこういう仕組みになっていたのか、とかよく分りました。分ってみると簡単なのですが、シンプルな中に理に適った構造があってとても勉強になりました。ほんのちょっとした事だったりするのですけど、世界中で長く愛用されてる理由が分ったように思えます。


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プロフィール

Kohei Yoshida

Author:Kohei Yoshida
金属工芸家
http://koheiyoshida.com/

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