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Airtist in Residence

 Artist in Residence、という制度、というかポジションがあります。

 私が文化庁の在外研修でSheffield Hallam Universityに在籍していた時の役職がこれです。
 イギリスの芸術系の学校には、先生でも技師でもない、アーティストが在籍して学校の設備を自由に使い自分の制作を行う制度があります。基本的にお給料は出ませんが学校にお金を払う訳ではなく、スタッフとして扱われます。
私がいた大学では説明をする時にvisiting researcherと説明していました。客員研究員ですね。

 日本でも、アートイベント等でアーティストを招致する際にこのArtist in Residenceという制度を用いたりしてますが、一般的に知られた言葉ではないですね。

 学校によって、週に1日は先生として学生の指導を担当したり、講義を行ったりとお仕事があるようです。

 私がいた学校は、今時珍しいのですがこのArtist in Residenceが全く自由にしていてよい、という学校でした。その代わり、学校の設備が使える時間が学生と同じでしたが、、、なので、私は特に何か仕事を強要されることなく自分のペースでやっておりました。夏前に、絞りの講義を学生に行なったり、一部の学生に指導を多少したりしました。

 このArtist in Residenceは基本的には学校が応募の中から学校が選んだアーティストが在籍する訳なのですが、学校を出たての工房を構える余裕のない若い人(もちろん、優秀な人)がなって学生に、学生の間にやっておいた方が良い事等、先生では出来ないアドバイスもしたりします。非常に、自由で面白いポジションです。

 数年前まで、このArtist in Residenceは学校のそのセクションのヘッドが独断で好きな人数を採用していたのが当たり前だったのですが、最近は美術大学(College)が総合大学と統合されて大きく、事務的にも厳しくなり、採用されるのも難しくなっているようです。
 割と、日本人のArtist in Residenceもこれまでは沢山いました。私の先輩でもお二人いますし、お一人は転々とあちこちでArtist in Residenceをやられてきました。今、Artist in Residenceをされてる日本人の方もいらっしゃいます。
 イギリスの学校からしてみると、日本の金工家が在籍してくれるのはうれしい事のようです。
 実を言うと、私は2011年の8月に帰国して、また9月に今度はBirmingham School of Jewellreyの Artist in Residenceとして再び渡英する予定でしたが、VISAの問題で断念する事となりました。
 最初は、Edinburgh College of ArtのArtist in Residenceを考え、お話を伺いに行ったのですが必要なスポンサーシップの申請時期とArtist in Residenceの申し込みの時期が合いませんでした。が、先生は非常に興味を持って頂けたのを憶えてます。Birminghamに至っては、相談しに行った時に応募受付の時期の前にスポンサーシップの申請に内定が必要、と言ったら先に特別に内定をいただいてしまいました。

 そんな訳で、このArtist in Residenceは日本で金工を勉強して、今度はイギリスで勉強してみたいけど授業料が、、という方にオススメです。(因に、イギリスではユーロ圏以外からの留学生は授業料が3倍高いです。日本円で年間130万円くらいです。Royal College of Artに至っては1年間日本円で350万円くらいします。 )学校のHPで募集を見たらメールしてみるのも手だと思います。(大体、面接もありますが)
 
 が、1つ大きな問題があります。

 VISAです。イギリスのVISAは、近年非常に取得し難くなっております。(現在2012年、後日検索でたどり着いた方の為に明記しておきます。)理由は、地下鉄テロが最初の原因と言われてますが、いろいろ理由はある様です。
 はっきり言いまして、一般の労働者VISAは普通の人には取得出来ません。「30歳以下、博士号取得、年収2000万円」とかそれくらいの条件が必要です。年齢が上がるとさらに厳しくなります。(2012年現在)
 そして、Artist in Residenceは学生で無い為に、Student VISAが取得出来ません。これは、非常に大きな問題です。はっきりと言いまして、若い人はワーキングホリデーで行くのが一番良いでしょう。30歳まで申請できるVISAです。年明けの受付開始からわずかな期間で定員が埋まるので、申請時期は要確認して下さい。

 これまで、イギリスの大学を出た留学生は申請すれば卒業後に2年間のVISAが取得出来ました。が、それも昨年廃止されました。これまで、卒業後にArtist in residenceをやっていく留学生が多くいましたが、ユーロ圏以外の留学生はこれが出来なくなってしまいました。大きな問題です。
 
 とはいえ、とても面白い制度です。興味があるのならば、ぜひオススメします。
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鬼に訊け

先日、川越スカラ座で『鬼に訊け-宮大工 西岡常一の遺言-』というドキュメンタリー映画を見てきました。
まず、このドキュメンタリー映画の公式サイトがこちら。
そして、宮大工 西岡常一についてはこちら

「最後の宮大工」と呼ばれた西岡棟梁の事は以前から知っていて、そのものの考え方や仕事の取り組み方から考えさせられる事が沢山あり、大ファンでした。まず、世界最古の木造建築として知られる法隆寺は1300年という時間を経って、ようやく改修が行われました。これは、檜と言う日本の風土にあった材料を飛鳥時代の人が知恵を搾って作り上げたものな訳ですが、単純に1300年間建っているというだけでもの凄い訳です。現在は高層ビルやすごい建物は沢山建っていますが、果たして1300年間建っていられるのでしょうか?コンクリートの寿命は長くて200年と言われています。

 物が有限である、という事は非常に重要な事で、ガソリンやプラスチックなどになる原油も有限な訳で、以前から問題にはなっています。資源を大切に、ってやつです。自分の手でコツコツ物を作っていると、どうしても資源や材料の事はよく考えます。無駄にしない様にと言う事は勿論、屑も取っておいてリサイクルに出したり鋳物の材料にしたりします。道具もそうで、安い道具を使い捨てる事に抵抗を感じますし、一生使える道具を持ちたいと思います。
 
 西岡棟梁が復元した道具に、槍鉋というものがあります。室町時代に入ってきた、今で普通に鉋といってイメージされる鉋の前に使われていた槍の様な形をした鉋です。飛鳥時代に建てられた建物を、その当時の道具で直すというのはなんとも粋な考えだと思いました。復元、修復の本随を見た気分でした。形が出来ればそれでよい、という事ではないのですね。

 西岡棟梁は、薬師寺の修復の時に檜で全てやりたかったそうなのですが建築研究者からコンクリートを使う事を命じられ、反抗しましたが中にある国宝を守る必要があるとか様々な理由からそれを使う事を余儀なくされました。建物の檜がたとえ1000年もっても、中のコンクリートが200年足らずでダメになる。
 薬師寺の西塔を建立する際に、そこだけは檜だけでやりたい様にやったそうです。お気持ちは、さぞ複雑だった事と推測します。

 水洗便所ですら否定する西岡棟梁ですが、時代の変化とともに考え方を変えた点がありました。
 1つは電動工具。西岡棟梁曰く、電動工具は木を切っているのではなく、ちぎっていて切り屑を雨にさらすとすぐにカビが生えるそうでよろしくない。が、時間の短縮と金銭的な関係で荒削りには電動工具を使い、仕上げに上記の槍鉋を使っている、と言ってました。
 また、コンクリートもそうですが自分の考えが時代の流れに合わなくなってきている、という事を感じ棟梁を辞そうとしたりします。

 私は、この「自分の考えが時代の流れに合わなくなってきてる」というのが非常に印象的でした。

 自分の理想とする事が合わない、求められていない。これは宮大工だけの話ではなく、同じ問題を多くの人が抱えていると思います。伝統的な超絶技法よりも「お手軽」な物が必要とされたり、途絶えても何も言えないものを無理矢理に伝統や文化という言葉で価値を付けようとしていたり。まあ、非常に難しいところだとは思います。
 自分が、どうやっていくのか。それを問われる時が必ずあると思います。その辺に鈍感になって行くと大工だろうが工芸家だろうがデザイナーだろうが、資源を使ってゴミを作るだけ、という状況になってしまう。
 
 鬼に訊け、非常にオススメです。

工房整備中

 HPのトップでは、あたかも工房が完成してるような書き方をしてしまってるのですが、実はまだ完成しきっておりません。建物の工事や、水道、ガス、電気などは一段落ついた所で現在は機械や作業台や机、工具などを運び込んで使える様にセッティングしている所です。工事が終わればすぐ出来るだろう、、、と思ってましたが重い機械類が多く電気やガスの接続に手こずったり、工具も多くあるので予想以上に手こずっております。工具類は、さすがに10年以上やってると山の様にありある程度整理しながら持ち込まないと全く使い難かったりします。倉庫にしまう時に、箱にしまって中に何が書いてあるかメモしておいたのですが、それでも「あれは何処にしまったか?」と探させられます。一応、必要なものは忘れずに用意してあるので近日中に頼まれて待たせてしまっている物の制作には入れるとは思うのですが、、、使いやすいようにセッティングが完了するまではまだまだ時間がかかりそうです。
プロフィール

Kohei Yoshida

Author:Kohei Yoshida
金属工芸家
http://koheiyoshida.com/

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