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Hallmarking

在外研修で渡英していた時に作ろうとして間に合わなかったホールマークがようやく届きました。もっと早くから準備していれば良かったのですが、帰国間際になってしまい友人にその後をお願いしてました。

 ホールマーク制度は、イギリスの銀、金製品に押される品質保証制度でヨーロッパやアメリカで人気がある制度です。それはassay officeで刻印を打ってもらわなくてはなりません。材料成分の分析や年号、打った場所など幾つかの刻印を打つのですが、検査がしっかりしてる故に品質の保証に繋がり、ある意味ジュエリーや銀器などは打ってあるのが当たり前、という感じです。
 その歴史はとても古く、現存する資料では12世紀に打たれたホールマークが残っていたりまします。制度はたまに修正されるようなのですが、現在はイギリスで4カ所でしかホールマークを打つ事は出来ません。ロンドン、バーミンガム、シェフィールド、エディンバラの4都市にあるassay officeに行く必要があります。(数年前までダブリンでも打てた様ですが、現在は無くなってしまいました。)打たれるのは、スポンサーマーク(制作者や会社)、素材の成分、打った場所、素材、年などです。都市毎にassay officeのホールマークが異なり、それがまたお洒落だったりします。ロンドンはメスのライオン、バーミンガムは碇、シェフィールドはバラ、エディンバラはお城、となってます。年は、アルファベットで表されるのですが、2012年は「n」となってます。
 そしてスポンサーマークですが、これが重要になってきます。要は自分の刻印になるのですが、勝手に自分の刻印を作って持ち込む事は出来ません。イニシャル2文字か3文字で、決まってる約80種類の中からベースのデザインを選び、その中にアルファベットを入れるのですがそれまでに同じイニシャルで同じベースで登録されている物は使えないのです。そして一回登録したら他の人はもう同じ物を作る事は出来ません。そのマークを見れば、誰が制作した物か分るような仕組みになってます。私も自分のイニシャルと希望のベースのデザインを幾つか候補に出して申請をしました。画像では一番左のマークが私の刻印なのですが、六角形の中にKとYが入っているデザインになりました。これから、この刻印が私のマークとなります。銀器用のサイズと、リングなどのジュエリー用のサイズと2種類作りました。

 2011年の4月に、シェフィールドのassay officeの見学に行きました。大きな会社で、中は撮影が禁止だったのですがホールマークの歴史や、打っている所を見せてもらいました。昔は物を少し削って粉を採取して成分分析をしていたのですが(そのため、最終仕上げの前にホールマークを打ってもらう事もあったりするそうです)、最近はX線を使ったり、刻印もレーザーで付けたりしていました。職員の人が大量にある銀の指輪を1つ1つX線の機械にいれているのが大変そうでした。

 ちなみに、銀は925以上の物でないとホールマークが打てません。四分一ではダメです。そして、赤銅も現在はホールマークの対象外です。なので、木目金にホールマークを打ちたいのであれば純銀、金、プラチナで作らなくてはならない、という訳です。銀ロウでいうと、easy flow(早ロウと同等?)を使ったものもホールマークは打ってもらえません。理由は色が黄色くなるからなのですが、基準が結構厳しいです。それだから品質が保障されてるという証にもなる訳なのですけど。

 Sheffield Assay OfficeのHPはこちら

 hallmark1
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柱の継ぎ足し

 HPにはあたかも工房が出来上がったような書き方をしてしまったのですが、実は目下制作中だったりします。物置のリフォームは終わったので、工房で使う道具や工具はそちらへ全て押し込んで、現在は工房の建物をリフォームしてる最中です。
 毎日、大工さんはじめ基礎屋さんが来て工事をしてます。もうすぐ、水道屋さんとかガス屋さんも来るはずです。電気工事もあります。
 大工さんが同級生なのですが、代々大工が家業と言う見た目も性格も根っからの職人で見ていて大変面白いです。家を建てる事にはこだわりがある様で、最近多い建て売り住宅や、大手ハウスメーカーの裏事情や良くない所、近年の建築の残念な所とかざっくり教えてくれ、そうするならこうした方が良い、とアドバイスをくれます。とは言え、私は少ない予算で無理してお願いしてるので伝統的な日本家屋のようなオーダーは出来ないのですけれども。
 裏の物置をリフォームしてもらった時に、古い物置なので柱のサイズがが全部まちまちで大変だったそうです。今は、建材屋さんで規格に乗っ取ったサイズを売っているので大工さんも随分楽にはなったそうです。柱の大きさがまちまちだと言う事は、間に足す柱や壁のレベルなどを揃えるのも大変だと想像はできます。

 昨日、その大工さんが見せてくれた柱。短い木材を継ぎ足して長い柱にしてあるそうです。材料節約の為にわざわざ手間をかけて柱を作ってくれました。短いを柱継ぎ手状にして組み込み、指で指してる所の穴に木のくさびを打ち込む事でそれぞれの木を互いにグッと押し合う様にして頑丈にしてあります。昔からある柱を継ぎ足す時の技だそうですが、大手ハウスメーカーの大工とか職人と呼ばれる人には出来ない技だ、と言ってました。へえ、上手いねぇ、と感心してしまいました。昔は大工さんは町のまとめ役だったと聞きますが、こういうのを見るとなるほどなぁ、と思います。
hashira1

鋼管について

 ふと疑問に思った事。鋼管(要は鉄パイプ)はいつからあるのだろう?という疑問。

 鉄、鋼を鍛造したり鋳造したりする事は昔からありましたが、鉄板(非鉄金属もそうなのだけど)が規格品として製造されるようになったのは産業革命以降、日本では工業が盛んになってきた明治以降だとは思います。
 鉄板というのは、鍛金にも使うし工芸の発展にも大きく関わって来たと思うのですが、鋼材って工芸との関わりはどうなのだろう?とふと思った訳です。思ったきっかけは、着色がし難く、塗装や鍍金の方が向いてると思ったからです。私は金工品の表面にする塗装があまり好きではないので、鉄だったら錆び付けして油焼きが好きなのですが、出来なくはないですが鋼管と油焼きがどうもしっくり結びつかなくて。工芸品だと、内側の処理がしきれないと思うのです。(そのため、亜鉛メッキやプライマー塗装が施された状態で売ってたりもします)

 工業製品を作る上で、鋼管が使い易いので生まれたというのは事実だと思います。ちょっと検索しただけですが、100年くらい前には鋼管の会社があったようです。軍需産業ではかなり需要があったと思います。

 鋼管の利点は、軽くて強度がある事。今ではエクステリアなどでも多く使われてます。私もそういったものには躊躇なく使います。しかし、ハンマーで叩いたりする事には向きません。表面の模様だけなんとなく鍛造風にする、というものもある様ですがどうもそういうのは苦手です。鍛造は、やはりむく材の方がかっこ良いですね。重いですが。

 山形鋼材や鋼管は軽く強度を求めるには良いですが、視覚的な形が強いので扱いが難しいです。新しい物を取り入れてはならないという訳ではないので(接着剤や変なケミカルに比べれば遥かに健康的だと思う)恐れずに取り入れていこうと思うのですが、上手く見せるのがとても難しいです。 

シーフォース アートグラウンドギャラリー

 東京の台東区、御徒町は金工やジュエリーの工具屋さんやそれに関連するお店が沢山ある街です。東京では一番大きな金工の街です。昔から続いてる工具店も沢山あります。
 昭和5年から御徒町で続いて来た佐々木工具店が2000年に同じく御徒町にシーフォースという名前のお店をつくりました。お店のHPはこちら。書いた様に元々佐々木工具店は老舗で、芸大はじめ多くの美術学校や金工の作家が御用達にしてきたお店で今はそれがシーフォースに引き継がれてます。
 そのシーフォースが昨年12月にお店の入っているビルの4Fに素敵なギャラリーをオープンしました。名前はシーフォース アートグラウンドギャラリー。ギャラリー内が白と黒の2つの色に分かれています。

 帰国して間もない9月にギャラリーが出来るというお話を聞かせて頂き、光栄な事に私の作品も2点展示をさせていただいております。全部で25人以上の金工作家の作品が並んでいます。多摩美の安藤泉先生始め芸大の先輩方や伝統工芸の先生、もの凄い作家が名を連ねてます。今、日本で現代の作家のここまで贅沢な展示はなかなか見られないと思います。作品も、オブジェからジュエリー、クラフトまで幅広いです。正直、色々な意味でちょっと目が回ります。
 ここへ足を運べば美術工芸品の面白いものが見られる、今まで興味があってもどこで見られるのかよく分らなかったものが見られる、というのがシーフォースの奥さんのお言葉でした。なるほど、確かに今まで見た事がない場になってます。
 
 工具店が作家の後押しをしてくれるのも非常にありがたいです。イギリスではホールマークを打つassay officeが作家の後押しをしてよい関係を築いてましたがそれに似ているものを感じます。

 土、日はお休みですがどなたでも見学する事が出来ます。お店の店員さんに訪ねてみて下さい。

 写真はiPhoneのパノラマ写真がとれるアプリで撮影しました。


seaforce

プロフィール

Kohei Yoshida

Author:Kohei Yoshida
金属工芸家
http://koheiyoshida.com/

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